観劇メモ

観劇の記録です

つはものどもがゆめのあと 分岐と存在の証明について

ミュージカル『刀剣乱舞』~つはものどもがゆめのあと~

東京公演を観劇に行きました。感想と、今回見ていて考えたこと(妄想)をだらだら書きます。すごくネタバレします。

 

私は刀ミュが大好きなのですが、刀ミュを観に行こうと思ったきっかけは佐藤流司君の出演が5割、御笠ノさんの脚本が4割と言った所なのでファンの欲目がだいぶ出ているかも知れません。ご容赦ください。

 

 

まず一番初めに思ったことは、「今回の刀ミュは見ておかないといけない公演だった!観に来られて良かった!!」でした。

今まであまり描かれていなかった「設定の紹介」があったからです。ちょっと!そんな重要なこと最初から言って!!

 

1.三日月宗近が繰り返しを証言

 

歴史(時間の流れ)の捉え方がパラレルワールド形式でした。

私はSFをあまり読まないのでパラレルワールドの説明でうまい例が思いつかないのですが、今まで出会ってきた中で一番なるほど!と思ったのがドラマJIN-仁-の2期ラスト辺りで南方先生が現代に戻ってきた時に山本耕史がホワイトボードに描いて説明してくれたやつです。

画像検索しても出てこないのが残念…タイムスリップしたことで別の並行世界の分岐に入ると言う感じの話を分かりやすく描いてくれていたんですが…。

 

今回の刀ミュで三日月さんは繰り返す度に「この歴史」と言う分岐が出来ていくことを証言していました。

ただ、JIN形式だといくつもの並行世界が存在してそっちに入るとそのまま違う歴史に到達して行くんですが、刀ミュの世界はどの分岐に入っても到達点が一緒なんですね…三日月さんだけがその記憶を持っているならいっぱいタイムスリップしている南方先生みたいなものなんでしょうけど(そうなると刀ミュが三日月宗近の物語になってしまいますが)、今回の歴史の分岐ができた時に髭切さんの記憶が追加されているので、どれだけ分岐ができても全部現在の存在に帰結していることになります。

ここの考え方が難しかったです。

 

でもこれは、「全分岐の記憶を有するのであれば、源氏兄弟と今剣、岩融が一度でも会った事のある世界が存在する可能性の方が高いはずだが、それが全く無い」=今剣と岩融の物質的存在の否定を裏打ちする重要な設定かなあと思いました。

 

 

2.存在の定義と何考えてるのか分からなかった小狐丸

 

そうして今回の主題、じゃあ今剣と岩融ってなんなんだどっから来たんだと言うお話になります。

それは「存在」とはなんぞ?ということになると思うのですが、デカルトが「我があるのは我が思う故だ。実体は考えるということだけにあっていかなる物質にも依存しない。」って言ってました。

これは自己の定義ですが、つまり「存在」の定義は必ずしも物質に限らないので、今剣や岩融は伝説という「概念」が存在し、それが神になった形かなと思います。

 

それを本人が分かっているのかいないのか…みたいな話だったのですが、その中で最後まで何考えてるのかよく分からなかったのが小狐丸でした。

小狐丸こそ伝説の子で、存在があやふやな点については他の追随を許さないんじゃ…と思うのですが、本人はそれを特に何も思ってなさそうですし、実はその悩みには既に向き合って、自分の中で納得しているのであれば、岩融が直接質問して来たのにヒントくらいくれてもいいと思うのですが…。

 

と思いながら見ていて、3回目の観劇で小狐丸のソロ曲聞いてなんとなく自分の中でちょっと理解したと思ったのが

小狐丸にとっては創造主(審神者)が絶対だから自分の存在に疑問を感じないのかな?

という所でした。

私は仏教徒なので一神教の人の思考はよく分からないけれど、なるほどそう思うと納得ができる、物質的に自分が存在していたかどうかということはどうでも良い、今現在の自分の存在は神に創られたものでそれを疑う余地はない。みたいな感じでしょうか…。

そう思うと三日月さんとの戦いも同じ宗教内での宗教戦争みたいです。

 

と言うことで今回の刀剣男士の分類

今剣…物質として存在しない自己を認識してしまう→修行に出る。

岩融…物質として存在しない自己を認識しているが、概念が存在していることを理解している。

小狐丸…創造主から創られた自分を疑わない敬虔な信者。

三日月宗近…確たる物質的存在。(しかしそれを証明する事は誰もできないことも知っている)

髭切…自己の存在について考えても仕方ないのでどうでもいい。

膝丸…自己の存在について考えることは怖いのでやめておく。

 

みたいな感じかなあと自分の中では今の所…。

この話今後も語られるのか語られないのか分からないですが、ミュ本丸みんながどう考えているのかも知りたいです。

刀ミュは2部の凄さがどうしても注目されがちな所あるかもしれませんが、2部も最高ですが1部のお話がとても好きなんです…。刀ミュ見るとたくさん本が読みたくなる…。

本当に毎公演ありがとうございますという気持ちでいっぱいです。

 

 

そんな今回の刀ミュ一番のわたし的見所は

源氏兄弟のお尻

です。

兄者のお尻すごい安産型かわいいのに対し、膝丸のお尻すごいシュッとしてるかわいい!!!なにこの黄金対比!!!かわいい!!!!

今まで「巨乳もいいけど貧乳もいい」って言うの全然分からない…巨乳がいいに決まってるのに…と思っていたのですが今ならすごい巨乳もいいけど貧乳もいいと言う気持ちが分かる!!世界の真理に一歩近付いた気分!!!

 

ってなるので是非ライブビューイングなどでも観に行かれることをお勧めします。

とっても楽しかったです。また次に観に行くのも楽しみです。